事前学習:放射線治療技術学 総論 TNM分類・PS
このクエストは、放射線治療技術学の入口になるTNM分類とPerformance Status〈PS〉を反復確認するためのものです。
病期を読む力と、患者さんの全身状態を判断する力は、治療方針を考える土台になります。
1. TNM分類の基本
TNM分類は、UICCが定めた悪性腫瘍の進行度分類です。
| 記号 | 意味 | 覚えるポイント |
| T | 原発腫瘍の広がり | Tumor。大きさや浸潤の程度で分類する。 |
| N | 所属リンパ節転移 | N0はリンパ節転移なし。N1〜N3は転移の程度。 |
| M | 遠隔転移 | M0は遠隔転移なし。M1は遠隔転移あり。 |
Tは原発、Nは所属リンパ節、Mは遠隔転移。まずここを即答できるようにします。
2. cTNM・pTNM・rTNM
| 分類 | 意味 | ポイント |
| cTNM | 治療前臨床分類 | 治療前の診察、画像、内視鏡、生検などで判断する。 |
| pTNM | 術後病理組織学的分類 | 手術標本や病理組織標本に基づき補足・修正する。 |
| rTNM | 再発時分類 | 再発腫瘍の分類を示す。分化度分類ではない。 |
病理検査で癌と診断された、だけでpTNMとは限りません。術後標本に基づく分類がpTNMです。
3. TNM分類でよく問われる注意点
- TNM分類は主に固形癌で用いられる。舌癌や食道癌は代表例。
- 悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、脳腫瘍などは別分類を用いることがある。
- T分類の基準は臓器・がん種ごとに異なる。
- T1かT2か判断に迷う場合は、原則として進行度の低い方に分類する。
- 評価不能な場合はXを用いる。
4. 症例問題の読み方
症例問題では、まずT・N・Mを分解して読みます。
| 表記 | 読み方 |
| cT3aN1M0 | 治療前臨床分類。N1なので所属リンパ節転移あり。M0なので遠隔転移なし。 |
| M1 | 遠隔転移あり。肺転移などがあればM1に相当する。 |
| 肺転移あり | 遠隔転移なので、原則としてⅣ期の決め手になる。 |
「臓側胸膜に接している」だけでは、浸潤ありとは判定しない点もよく問われます。
5. Performance Status〈PS〉
PSは、患者の全身状態や日常生活の自立度を評価する指標です。治療に耐えられるか、根治治療か緩和的治療かなど、治療法の選択に影響します。
| PS | 状態 | 覚え方 |
| 0 | まったく問題なく活動できる | 最も良好 |
| 1 | 激しい活動は制限、軽作業は可能 | 軽い制限 |
| 2 | 自力で動けるが活動制限あり。日中50%以上はベッド外 | 動ける |
| 3 | 限られた身の回りのみ可能。日中50%以上をベッドまたは椅子 | 半日以上就床 |
| 4 | 全く動けず完全に寝たきり。介助が必要 | 最も不良 |
PSは数字が小さいほど良好、大きいほど不良です。PS0が最良、PS4が最不良。
6. PSと間違えやすい指標
| 指標 | 役割 |
| PS | 全身状態、日常生活の自立度 |
| TNM | 悪性腫瘍の進行度分類 |
| RECIST | 標的病変の治療効果判定 |
| CTCAE | 有害事象の評価 |
| G分類 | 病理組織学的分化度 |
PSは病期分類そのものではありません。PS4だからⅣ期、PS0だから0期、とは判断しません。